
ファンズワース邸イラストbyタサキ
建築にとって開口部はその立面を構成する大きな要素です。更には壁と開口部の関係は絵画で言う「地と図の関係」にあります。当然壁が地で開口部が図となりますが、開口部の取り方、形によって建築は大きく表情を変え、個性を現します。これは視覚上の話しとして当然ですが、心理的な意味での開口部の扱いは建築家によっても随分違うようです。
近代建築の巨匠コルビュジェの作品を見ると、開口部とは壁ではない所、つまり穴であり、サッシュはもちろんガラスもまるで無いものとして、扱われているように感じられます。一方ミースはどうか。ファンズワース邸に見られるように最初からガラスとサッシュをはっきり、立面の構成要素として扱っています。もっと言えば皮膜の一部としているようです。
ここで話しをもっと身近にしましょう。住まいを設計する時、私も開口部の扱いには随分と気を使います。開閉方式を含めた機能や性能はもちろん、形の取り方そして意識としての扱い方等々です。例えば庭に面した居間の開口部は内外空間がより一体化するよう、出来ればガラスやサッシュは無いかのようにシンプルに、そして目立たぬように扱いたいものです。更には開口周りの木製の額縁も取り止めたいくらいです。(実際は汚れ防止や傷が付かないよう必要なものですが)
逆に大壁の中にぽつんと開口部をシンボリックに配置したい場合等はガラスもサッシュもより存在を主張して欲しいと考えることもあります。
つまり我々設計家は開口部に対して技術的な判断だけでなく、もっと情緒的なものを込めたいと願っていることになるのでしょうか。
それにしても開口部とりわけ窓には何かロマンチックなものを覚えてしまいます。
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